美意識

初めての緊急事態宣言が出てお家時間が急増した時、YouTubeで小顔マッサージやスキンケアの動画を見るのにハマっていた時期があった。●分でできる小顔マッサージや洗顔ルーティーンなど。それを真似ることで自分磨きをしようとしたのは良い心掛けだったと思う。Youtuberやアイドルの勧める美容グッズを買ったりもした。ただ結果的に現在は全く使っていないし殆どやっていない。年齢を重ねるごとにスキンケアの重要性を感じてはいるものの、分かってしまったのだ。自分には続かないと。

そう、スキンケアで一番大事なのはケアのクオリティを落とさず保つことなのだ。それを教えてくれたのはとあるメンズアイドルのインフルエンサーだった。

その人は多くの工程を積んだことで男性にしては少々不自然なほどに美しいお肌をされていた。ただ動画を見ていると本末転倒だなと思う瞬間がある。動画でスキンケアの有効性を示す為に、敢えて一度肌の手入れをサボって肌を汚くするのだ。視聴者からすれば効果を分かりやすくしてくれるのはありがたいけど、誰より美しい肌でいたいであろう人がそのようなことをするのはビジネスとはいえ少し違和感を感じる。それはさておき、恐ろしいのが肌の手入れをサボった期間の短さだ。その時見たのはいちご鼻についての動画で、確か数日〜1週間程度のサボりで黒ずみが復活していた。あれだけ普段から頑張っているのに、たった数日手を抜くだけですぐ逆戻りしている姿を見て戦慄した。週に一度や二度頑張るだけでは不完全で、中々に面倒な工程を毎日続けていかないと完璧な肌を保つことはできない…自分からするとシビアな世界に、大人しく動画を閉じることしかできなかった。面倒すぎる。

つまり、頂点は目指せないと分かった上で、自分にできる範囲で妥協することが大事。これが今ある唯一の美容意識だ。発生する時間、お金、義務感。無理にルーティーンを増やしたり高い美容品を買うことはなく、やってないよりは楽にできるものを最低限やっているという状況が自分には最も丁度良く感じる。

髭脱毛、髪型と眉毛を整える、適度な運動、食生活、睡眠、メイク、水分補給、ホワイトニングや歯列矯正…細かなケア以外にもできることや大切なことも多い。ただ美容そのものが好きな人はいるのだろうが、良く見られたいというモチベーションがないとこれ以上の美意識は目覚めそうにない。好きな人ができると可愛くなるというのは真理だなと思う。