金平糖

十億年 / さユり

 

 

たくさんのビルから光が漏れ出ているのを見て、この世界にはたくさん人がいるんだなあとしみじみ思いふけった。知らない人や知らない世界がこんな身近にあって、自分も当然その一部だけど、なくてもわからないような小さな存在だってことも。

 

今ここにいるというネットへの投稿を見て、知ってる街に知ってる人がそこにいるという事実を知る。たまたまそこにいたら会っていたのかもしれないけど、ほんの少しのズレでその邂逅は当然ない訳で。たまたま会うってすごいよね。

 

これだけ街は人で満ち溢れているのに関わる人って相当に少なくて、一部も一部の人間、しかも大半の人とが表面でしか交わらない。風を掴むくらいの反射神経と超能力がないと同じ人間と寄り添っていくのって難しいのかも。自分から手を伸ばせても捉えることは決してできないみたいな…

 

世界が広ければ広いほど、目の前に起きてることがいかにちっぽけかがわかる。

何もないだなんて言うのはいつも自分自身だ。至極月並みなことだけれど視野を広げることが自分を楽にする。