Where are G from?

 

深夜1時半、PCをいじっていた時です。

 

視界の隅に黒い影が見えました。

 

ものすごく自然に。もうそこにいて当然みたいな顔でそいつは現れました。

 

あまりの違和感の無さに始めは何も感じなかったほどです。

 

しかし頭にある触覚が揺れているのをまじまじと見つめてから、ようやく時間が動き始めました。

 

あいつは、ゴキブリ科ゴキブリ種ゴキブリです。

 

すごく適当なことを言っています。

 

私もいきなり取り乱したわけではありませんでした。

 

静かに履いていたスリッパにビニール袋を被せ、深夜に大きな音を出しても良いのだろうかと、騒音に気を配る余裕が確かにあったのです。

 

今思えば冷静だったのはこの一瞬だけでした。

 

めちゃくちゃ当然なことを言いますが、ヤツは近づくと私に反応して動くんですよね。そろりそろりと距離を詰めてみると、すぐに物陰に逃げ隠れてしまいました。

 

ここで逃げ隠れたのはGだけではありませんでした。

 

というか先に逃げたのは多分私の方でした。

 

「ひぎっ」

 

今のは私の鳴き声です。

 

次の瞬間には終わっているバックステップ。

 

いつだって逃げ足だけは立派だった。

 

そんな自分が恥ずかしいなんて思う余裕もなく、すっかり椅子の上で体育座りを決め込んでしまいました。

 

決してLごっこを始めたわけではありません。万一他にもGがいた場合、足元に触れでもしたらどうしようかと思っての行動です。

 

いつだって自分を守る時だけは頭の回転が早かった。

 

俺は、俺が恥ずかしい。

 

そして開いていたPCでGの駆除方法を改めて検索することで、少しでも落ち着きを取り戻そうとしたのです。

 

どうやら叩き潰すのはかえって逆効果だということを知りました。

 

しかし所謂ゴキジェットなるものは我が家に備わっておらず、結局ペットボトルの底を切り抜いたものを上から被せ洗剤攻めすることに。

 

500mlのペットボトルちっちゃ。頼りな。

 

頼りないのはてめえだと自分に言い聞かせながら、物陰に隠れたGをおびき出そうとズボンハンガーの棒を使いつついてみます。先のパーツが折れました。シンプルに物が一つ壊れました。

 

今度は折りたたみ傘を使いつついてみます。先がよく見えないので懐中電灯も持ってきました。腰は引けています。間違いなく、どうしようもなく、紛れもなく、深夜に疑似フェンシングをする情けない成人男性の姿がそこにはあったと思います。

 

ドアの下の隙間を通り、やつは部屋から出ていきました。

 

一度はそれでいいかなって思いました。

 

けれど思いました。

 

ドアを開けたらやつがすぐそこにいるかもしれない。

 

俺の部屋にいるってことは俺の部屋にいたってことだ。戻ってくるかもしれない。

 

今夜決着をつけなければいけないようです。

 

15分ほど現実逃避をしてから、意を決してドアを開けました。

 

いません。

 

玄関を照らしました。

 

いました。

 

500mlのペットボトルちっちゃ。

 

もしかしてげんこつくらいの直径にG収めようとしてる?結構難しいよ?

 

玄関にある小物の影に器用に隠れ、ずらしてもまたうまくその後ろに逃げ込み…我が家の物をしっかりと使いこなしかわそうとするGの姿を見て本当に悲しくなりました。ちょっと馴染んでんじゃねえよと。

 

ゴミ袋を敷き詰めました。入ってくれればそれで終わりです。

 

全然排卵排卵すんなばかほんとその変換悪意ある。

 

全然入らんっていうかあれですね、あれ羽広げてますね、これ以上つついたら飛んでやるよっていう意思表示ですよね。立体の動きすんのはまじでずるい。

 

もう無理やん。

 

あ、ドア開けたら外逃げるかも。

 

逃げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

家で足元を見ながら歩くようになりました。

あと椅子に座ってる時床に直で足をつけられなくなりました。

 

 

♪nowplaying

火花 / 雨宮天

 

 

先日勤めていたカフェ&バーが閉店してですね、少しずつ実感が出てきているところでございます。毎回朝早かったんですよね。お陰で1日が長く使えていたというのはありますが、よかれと思って午後たくさん時間を空けていたのに全然予定が埋まらないのでとても悲しくもありました。

 

最終日は夜多くの従業員が店に集まり、別れを惜しんでいるんだかただお酒を飲んでいるんだかわかりませんでしたが、お陰であまり寂しくはありませんでした。

 

というか本当に声を大にして言いたいんですけどね、何でみんな最後だから最後だからって騒ぐの?他称最後の飲み会に強く誘われていたのを強く断っていたのですが(結局行った)、まじでわからん。

 

卒業式で泣くっていうのもよくわかんなかった。

理屈はわかるけど共感できない。

 

もう今までと同じようにここに来ることはないんだとか、もう会えなくなる人もいるとか、全く思わないことが無いわけではないけど。

 

会えばええやん。何、俺たちお前の中で今日死ぬの?って思っちゃうんですよね。

そんなに最後最後って強調されると、まるでもう未来が無いって言われてるみたいでそっちの方が寂しくなるといいますか。

 

それが難しくなるってのはわかるけど、環境なんてまじで関係ないと思う。会いたくて会えないなんて予定が合うか合わないかの問題じゃないんですかね?いつどんな最後が来るかなんてわかんないんだから(このブログで何回言うんだろうね)会える時にあっとけばいいのに。

 

それで会わなくなる関係ならその程度だったってだけだしなあ…。

それでさえ名残惜しくて最後と割り切ろうとしてるって意味なら気持ちの整理ができてないのは自分の方か。

 

終わったこともまあ大事なことあったりするけど、この先何しよっかって話ができた方が楽しいね

 

 

とりあえずゴキブリホイホイたくさん買ってゴキジェットも常備しようね。